私たちが世界(出来事)をどう認識し、どのように判断し、どう決断し、どう反応(行動)するかは、私たちの価値観がその基準となっています。
言うまでもなく、私たちは価値観を1つしか持っていないということはなく、複数の価値観を持っています。
そして、その価値観はすべて等しいわけではなく、優先順位があり、それらを価値観の優先体系と呼びます。
私たちの誰もが独自の価値観を複数持つだけでなく、それらの価値観の優先体系は異なります。
例えば、ある人は仕事も大事だし、家族も大事、そして娯楽も大事、というように3つの価値観を持っていたとします。ただ、そこには優先順位があり、仕事が1番、家族が2番、趣味が3番目、というようにです。
しかし、この価値観の優先体系は固定していて不変ということはありません。
時期や状況によって価値観の優先体系は変動します。
だからこそ、価値観の優先体系の確認は、一度やればそれでおしまいというのではなく、定期的(3ヶ月に一度程度)に再確認することがオススメです。
さて、では、価値観の優先体系を決定する要因は何でしょうか?
いくつかありますが、その中でももっとも大きな要因は「安定性/安全性」です。
私たちは、安心したいし、そのために「確かさ」をもとめます。それが「安定性/安全性」となります。
例えば、普段、趣味が1番、仕事は2番目、家族が3番目という人がいたとします。
ところ、仕事でレポートの提出期限が迫った時には、趣味よりも仕事を優先するようになります。
理由は、期限までにレポートを提出できないと、仕事で評価されなかったり、減俸されたり、最悪の場合は解雇される恐れがあります。つまり、仕事の安全性が損なわれる可能性があるわけです。
なので、仕事の優先順位が上昇します。
それから、仕事を第一優先としている人も、子供が生まれると、家族を仕事より優先するようになります。
それは、既存の家族の安定した関係性の中に、新しい家族が増えることで、不安定になるためであり、それは安定した家族関係が確認できるまで続きます。そして、安定性が確認できたら、また仕事が家族よりも優先されることでしょう。
普段、お金のことを優先していない人であっても、月末の支払いが危うくなる(安全性が損なわれる)とお金のことを最優先に考えるようになるのも同じ理由です。
このように、価値観の優先順位は、その人にとっての各価値観に対する安定性/安全性の判断で変動するのです。